内定を出したのに承諾してもらえない、選考の途中で連絡が取れなくなる——多くの採用担当者が一度は経験する悩みではないでしょうか。せっかく時間とコストをかけて集めた応募者が途中で離脱してしまうと、採用活動そのものの効率が大きく下がってしまいます。今回は、内定辞退や選考離脱がなぜ起きるのか、そして今日から取り組める防止策について整理していきます。
内定辞退が多発する会社に共通する原因とは
転職活動でも新卒の就職活動でも、候補者は基本的に一社だけを受けているわけではありません。複数の企業を並行して検討している中で、各社が候補者に向けて情報を送り続けています。そのため、たとえ今日面接をしたとしても、翌日には別の会社の面接を受けていたり、SNSやWebで他社の情報に触れていたりすることも珍しくありません。
こうした状況では、候補者の頭の中にある自社の情報はどんどん古くなり、他社の情報に上書きされていきます。内定辞退が多発する会社に共通しているのは、この「情報の古さ」に気づかず、候補者との接点が途切れたままになっているケースが多いという点です。
選考フローを3つのフェーズに分けて考える
内定辞退・選考離脱を防ぐには、選考の流れを一つの塊で捉えるのではなく、フェーズごとに原因と対策を分けて考えることが有効です。
- エントリーから選考参加まで
- 選考中
- 内定を出してから承諾までの間
それぞれのフェーズで意識すべきポイントが異なりますので、順番に見ていきます。
エントリーから選考参加まで
このフェーズで最も大事なのはスピード感です。候補者がエントリーをした瞬間、あるいは求人サイトや自社の採用ページを見ている瞬間が、候補者のテンションが最も高い状態です。そこから時間が経てば経つほど、選考に参加したい、この企業に入りたいという気持ちは薄れていきます。
エントリーの通知が来たらすぐに面接日程の調整を始めることが有効です。目安として、直近3日以内にエントリーした候補者を洗い出し、メールや電話でアプローチを行い、選考フローに早く乗せていくことが大切になります。
また、選考枠をあまりに先のスケジュールまで公開してしまうと、1ヶ月先まで枠が空いていることで「直近は忙しいから」と先の日程を予約されてしまい、面接の頃には熱量が下がってしまうこともあります。応募数に応じて、公開する選考枠の範囲をコントロールすることも意識したいポイントです。
選考中
選考中のフェーズで意識すべきは接点回数です。前述の通り、候補者は他社からも多くの連絡を受けています。だからこそ、最低でも1週間に1回は自社のことを思い出してもらえるようなアクションを取ることが、選考離脱の防止にはかなり有効です。
具体的な手段としては、次のようなものが挙げられます。
- 社員との面談を設定する
- 社員インタビュー記事のURLを個別に送る
- 面接のスパンを短くする
- 面接前に激励の連絡をする
- 入社に関する不安を聞く相談の場を設ける
こうした接点を他社よりもこまめに確保できるかどうかが、選考中の離脱防止と入社意欲の維持につながります。
内定から承諾まで
最終フェーズで大事なのは個別性です。ここまで選考が進んでいる候補者は、転職・就職の目的や背景がある程度見えてきているはずです。それにもかかわらず、どの候補者にも同じ内容の情報を送っていては、刺さる人と刺さらない人が出てきてしまいます。
現職の給与面に不満があるのか、働き方に不満があるのか、あるいは自社のビジョンや社風に惹かれているのか。候補者ごとの理由に合わせて情報を提供することで、不安の解消や入社理由の納得度が高まり、内定辞退の防止につながります。
内定辞退防止に共通する3つのポイント
ここまでの内容をまとめると、内定辞退・選考離脱を防ぐために大事なのは次の3つです。
- スピード
- 接点回数
- 個別性
スピード
エントリー直後の高い温度感を逃さず、できるだけ早く選考フローに乗せることが大切です。
接点回数
候補者の中にある自社の情報を、他社よりも高い頻度で最新の状態に保つことが離脱防止につながります。
個別性
候補者一人ひとりの転職・就職理由に合わせた情報提供が、内定承諾への納得度を高めます。
これらを意識せずに選考を進めていると、候補者からすると「大勢の中の一人」として扱われている印象を受けやすくなり、入社意欲が十分に高まらなかったり、不安を感じさせてしまったりして、結果的に選考離脱や内定辞退につながってしまいます。
接点回数と個別性を効率的に担保する方法
とはいえ、採用担当者が一人で他の業務も抱えながら、候補者一人ひとりに電話や面談で丁寧に接点を持ち続けるのは、現実的に難しい場合も多いと思います。
そこで有効になり得るのが、SNSや動画といった発信手段です。一度コンテンツを作っておけば、直接連絡を取らなくても候補者自身がそれを見て情報をアップデートしてくれるため、接点回数と個別性をある程度担保しやすくなります。
ただし、SNS運用にも複数のやり方があります。
- 自社の人事担当者が内製で運用する
- 自社で撮影しつつ、企画や運用はプロの伴走支援を受ける
- 撮影から運用まで含めてフルで代行してもらう
どの方法が適しているかは、社内の工数や人事担当者のスキル、予算によって変わってきます。丸投げの代行だけが唯一の正解というわけではなく、自社の状況に合わせて選択肢を検討することが大切です。まずは電話や面談といった直接のコミュニケーションを大切にしつつ、無理のない範囲でSNSなどの発信を組み合わせていくのが現実的な進め方と言えるでしょう。
まとめ
内定辞退・選考離脱を防ぐためのポイントは次の3つです。
- エントリーから選考参加までは「スピード」を意識し、温度感が高いうちに選考に乗せること
- 選考中は「接点回数」を確保し、候補者の中にある自社の情報を最新に保つこと
- 内定から承諾までは「個別性」を意識し、候補者ごとの理由に合わせた情報提供を行うこと
これらは特別なツールがなくても、日々の運用の工夫次第で取り組める内容です。工数の面で難しさを感じる場合は、SNSなどの発信を組み合わせることも選択肢の一つになります。自社の採用体制や候補者層に合った歩留まり改善の方法を、一度整理してみてはいかがでしょうか。まずはお気軽に無料相談からご相談ください。
