採用担当者の間で「求人を出しても以前ほど応募が来ない」「人材紹介に頼っても紹介数が減った」という声が増えています。売り手市場が続き、求人倍率も年々上がる中、2026年に向けては“求人を出して待つ”スタイルの採用がこれまで以上に厳しくなっていくと考えられます。本記事では、採用トレンド2026を見据えて、なぜ待ちの採用が通用しにくくなっているのか、そしてこれからの採用戦略としてどのような選択肢があるのかを整理します。
採用トレンド2026|市場はどう変わっているのか
求人倍率は年々上がる傾向にあり、2025年時点ではおおよそ1.26〜1.27倍程度という水準になっています。ここ数年〜10年のスパンで見ても、求職者一人に対する求人数は増加傾向です。求人倍率が上がるということは、それだけ一人の求職者を複数の企業が取り合う状態になっているということでもあります。
もう一つの大きな変化が、求職者の情報収集の仕方です。求職者の約6割が企業のSNSやホームページを見て情報収集をしているというデータもあり、求人メディアや人材紹介だけに情報を出しておけばよい時代ではなくなりつつあります。求人メディアと人材紹介、そして企業自身の発信、この両方を求職者は見て比較検討するのが当たり前になってきているのです。
“待ちの採用”が通用しなくなる理由
求人広告や人材紹介は、企業が情報を「出す」ことで求職者からの応募や紹介を「待つ」モデルです。これ自体が悪いわけではありませんが、次のような構造的な変化により、待つだけでは採用が難しくなってきています。
- 求人倍率の上昇により競合企業が増え、同じ広告費でも埋もれやすくなっている
- 求職者がSNSやYouTubeで企業の雰囲気まで調べてから応募するようになっている
- 若い世代ほど文章より動画で情報収集する傾向が強まっている
- 発信する企業が増えるほど、発信しない企業は比較検討の土俵にすら上がりにくくなる
こうした変化を踏まえると、これからは「出して待つ」だけでなく、「自ら発信して選ばれる」という姿勢が必要になってきます。
採用手法は一つではない|まず全体像を知る
採用手法に絶対的な正解はありません。自社の採用人数や職種、かけられる工数によって、合う手法は変わってきます。まずは代表的な手法の特徴を押さえておきましょう。
- 求人広告
- 人材紹介
- ダイレクトリクルーティング
- 採用イベント
- リファラル採用
- アルムナイ採用
- SNS(YouTube・Instagram・TikTokなど)
求人広告
人材会社の求人サイトに掲載し、幅広い層にアプローチできる手法です。比較的コストを抑えつつ、即時性をもって掲載できる点がメリットですが、掲載課金モデルのため「掲載しても応募が来ない」リスクがあり、競合も多くなっています。
人材紹介
エージェントが求職者と企業をマッチングしてくれる手法で、希望条件のズレが少ない点がメリットです。一方で費用は入社者の理論年収の25%〜30%程度が目安とされ、企業によっては30%台〜40%程度と言われることもあり、コスト負担は大きくなりがちです。
ダイレクトリクルーティング
企業側からデータベース内の求職者に直接アプローチできる手法です。ターゲティングができ、自社の魅力を直接伝えられる一方、検索や文面作成、返信対応など自社側の工数がかかります。
採用イベント
転職フェアなどで候補者と直接会える手法です。一度に多くの候補者と出会えますが、出展費用や準備の手間がかかり、来場者の質にばらつきが出ることもあります。
リファラル採用
自社社員からの紹介による採用です。定着率が高くなりやすく、コストも抑えられる一方、紹介者と似た属性の人材に偏りやすく、不採用時の関係性のケアも必要です。
アルムナイ採用
退職した社員に再アプローチする採用です。即戦力かつカルチャーフィットしやすい一方、退職者とのつながりを維持する運営コストや、退職のハードルが下がるリスクも考慮が必要です。
SNS(YouTube・Instagram・TikTokなど)
自社で発信を続けることでコンテンツが資産として積み上がっていく手法です。続ければ続けるほど、一人当たりの採用コストが下がっていく可能性がある点が特徴です。文章では伝えきれない社風や雰囲気を伝えられ、社内エンゲージメント向上にもつながるという声もあります。一方で、企画・撮影・編集・投稿という工数がかかること、成果が出るまで時間がかかること、炎上リスクへの注意が必要な点はデメリットとして押さえておく必要があります。
SNS採用が2026年の新戦略として注目される理由
少子高齢化が進む中で、これからの採用競争はより激しくなっていくと見られています。求人広告や人材紹介といった従来型の手法だけに頼っていると、競争激化に伴って採用コストが上がり続ける可能性があります。SNSは求職者に直接アプローチできる点、そして発信を続けるほどコンテンツという資産が蓄積していく点で、他の手法とは異なる特徴を持っています。
また、SNSは単独で使うだけでなく、求人広告に動画URLを載せたり、人材紹介のエージェントに事前共有したりと、他の採用手法と組み合わせて活用できる汎用性の高さも特徴です。選考中の候補者に共有することで、選考離脱の防止や、繰り返し同じ説明をする工数の削減にもつながるという声もあります。
実際に、SNSの運用サポートに入ったことで年間の採用費用を大きく削減できた事例や、離職率が30%台から2〜3%程度まで下がった事例も報告されています。ただしこれはあくまで一つの事例であり、すべての企業に同じ結果を保証するものではありません。
SNS採用を始める3つの選択肢
SNS採用を検討する際、進め方には主に3つの選択肢があります。
- 内製(自社の人事担当者などが企画・撮影・編集まで行う)
- 自社撮影×プロ伴走(撮影は自社で行い、企画や戦略設計はプロに相談する)
- フル代行(企画から撮影・編集・運用までを外部に任せる)
どれが正解ということはなく、かけられる工数や予算、社内のリソース状況によって適した形は変わります。ただし、通常の採用業務と並行して企画・撮影・編集をすべて内製で行おうとすると、想像以上に工数がかかり、途中で運用が止まってしまうケースもあるとされています。まずは自社の状況を整理した上で、どの進め方が合っているかを検討することが大切です。
まとめ
- 求人倍率の上昇や求職者の情報収集の変化により、求人広告や人材紹介だけに頼る“待ちの採用”は徐々に通用しにくくなってきています。
- 採用手法には求人広告・人材紹介・ダイレクトリクルーティング・採用イベント・リファラル・アルムナイ・SNSなど複数の選択肢があり、それぞれ特徴が異なります。
- SNSは資産として積み上がる特徴を持ち、他の採用手法と組み合わせやすい点で2026年以降の採用戦略の選択肢として注目されていますが、内製・プロ伴走・フル代行のどれが合うかは自社の状況次第です。
自社の採用手法を見直すタイミングで、どの手法をどう組み合わせるべきか迷ったら、専門家に一度状況を整理してもらうのも一つの方法です。まずはお気軽に無料相談からご相談ください。
