採用活動にYouTubeを取り入れたいと思いながら、日々の業務に追われてなかなか着手できない人事担当者の方は多いのではないでしょうか。競合他社がSNSを始めているのを見て焦りを感じつつも、企画や撮影、編集、継続的な運用まで考えると、腰が重くなってしまうのも無理はありません。
この記事では、採用YouTubeの始め方について、内製化を軸にしながら、必要な体制・機材・最初の1本の作り方までを整理してご紹介します。すべて自社で抱え込む必要はなく、内製・プロとの伴走・外注という選択肢を状況に応じて組み合わせることも可能です。まずは全体像を掴んでいただければと思います。
採用YouTubeを始めるメリットとデメリット
採用にYouTubeを活用する目的は、動画を通じて求人票やテキストだけでは伝わらない自社の魅力や働く人のリアルな姿を発信することにあります。
メリットとして挙げられるのは、まだ転職や就職を意識していない潜在層にもアプローチできる点です。企業を認知してもらうタイミングが早いほど、実際に転職・就職活動を始めた際の志望度や応募率、承諾率にも良い影響が期待できます。また、テキストや写真だけでは伝わらない社風や社員の空気感を発信できるため、入社後の「思っていたと違った」というミスマッチの低減にもつながります。さらに副次的な効果として、社内向けの発信を通じたコミュニケーションの活性化や、これまで持たれていたイメージとのギャップを埋めるブランディング効果も見込めます。
一方でデメリットとしては、成果が出るまでに時間がかかる中長期施策である点、情報漏洩やコンプライアンス面での炎上リスクがある点、そして工数や外注費など制作コストが一定かかり続ける点が挙げられます。短期間で応募増を期待するのではなく、腰を据えて取り組む前提で始めることが大切です。
内製化で採用YouTubeを始めるメリット・デメリット
採用YouTubeの始め方を考えるうえで、まず整理しておきたいのが内製化のメリットとデメリットです。
内製化の主なメリットは、大きく次の3つです。
- 外注費の削減
- コミュニケーションコストの解消
- 撮影スケジュールの柔軟な対応
外注費の削減
動画1本あたりの制作費がかさむケースは珍しくなく、継続的に依頼すると年間のコストは大きくなりがちです。内製化すれば初期の機材費と人件費が中心になり、長期的なコスト削減につながります。
コミュニケーションコストの解消
自社のビジョンや社風、仕事の魅力を自分たちの言葉で語れるため、外部に委託する際に発生しがちな擦り合わせの手間が減り、制作スピードが上がります。
撮影スケジュールの柔軟な対応
一部シーンの差し替えや追加撮影がすぐにできるため、公開までのスケジュールを圧縮でき、PDCAを回すスピードも上がります。
一方でデメリットも存在します。企画・撮影・編集・分析といった専門知識を身につけるための期間やコストがかかること、動画制作に時間を取られて本来の採用業務を圧迫する可能性があること、そして企画や編集といった属人性の高いスキルが特定の担当者に偏り、その人が異動・退職した際に運用が止まってしまうリスクがあることです。マニュアル化などで属人化を防ぐ工夫もあわせて検討すると安心です。
採用YouTubeの始め方|体制と役割を決める
内製化を進めるうえでまず重要なのは、運用目的を定めてチーム体制を作ることです。動画1本を作るために必要な役割は大きく5つに分けられます。企画・構成を考える人、撮影するカメラマン、編集を行う編集者、効果測定を行う人、そして出演者です。
すべてを1人で担うことも不可能ではありませんが、相談相手がいない中で本業も圧迫されやすく、撮影技法や編集のPDCAが深まりにくいという側面もあります。最低でも2〜3人程度のチームを組めると、無理なく継続しやすくなります。
採用YouTubeの始め方|最低限そろえたい機材
始めの段階から高価な機材をそろえる必要はありません。iPhoneが1〜2台あれば十分で、そこに1本用意しておくと動画のクオリティが上がるマイク、手ブレ防止や固定撮影に使える三脚があれば撮影の幅が広がります。編集についても、初期段階はスマートフォンだけで完結する無料の編集アプリで十分です。より高度な編集をしたいというイメージが固まってきた段階で、パソコン用の有料ソフトや照明、スタジオの活用を検討するという段階的な進め方がおすすめです。
最初の1本は何を撮る?
何から手をつければいいか迷う場合は、いきなりオリジナルの企画に挑戦するのではなく、候補者が見ていそうな動画や自社が参考にしたい動画をYouTube内で見つけ、その構成を自社バージョンに置き換えるところから始めると、完成後に「思っていたのと違う」というズレを減らせます。
また、これから初めて動画に着手するのであれば、会社説明会の内容を動画化することから始めるのも一つの方法です。事業内容、ミッション・ビジョン、職種ごとの仕事内容、働く人の紹介、教育研修などの成長環境、給与や待遇、働き方、選考フロー、よくある質問といった項目は、すでに選考に参加している候補者が知りたい情報を網羅しやすく、1本ずつ短い動画に分けて作ることで、面接では聞ききれなかった疑問を補う後押しの役割を果たします。認知拡大のための派手な企画よりも先に、こうした受け皿となるコンテンツを整えておくことが、後の発信を無駄にしないポイントです。
動画を届ける順番も意識する
動画は、まだ自社を知らない人に向けた認知拡大のコンテンツ、すでに接点のある人をファン化させるコンテンツ、応募という行動を後押しするコンテンツの3つに大きく分けて考えると設計しやすくなります。それぞれの段階で候補者が求める情報は異なるため、どれか一つに偏らず、バランスよくコンテンツを配置していくことが採用成果につなげる工夫の一つです。
内製・伴走・外注、どう選ぶか
企画や進行管理は自社で対応し、撮影や編集などクリエイティブな部分だけを外部に依頼するなど、工程ごとに切り分けて判断する方法もあります。どこまでを自社で担い、どこから外部に任せるかの線引きや責任の所在を最初に明確にしておくと、認識のズレを防ぎやすくなります。フルで外部に委託する、プロと伴走しながら一部だけ内製するなど、自社のリソースや状況に合わせて選択肢を検討してみるとよいでしょう。
よくある失敗と続けるコツ
採用YouTubeでよくある失敗の一つは、最初の数本は作れても、社内確認や他業務の忙しさから更新が止まってしまうことです。もう一つは、ターゲットを言語化しないまま発信したいことだけを盛り込んでしまい、採用効果につながらないケースです。
動画制作はPDCAを回していくことが前提のため、最初から完成度を求めすぎず、まずは1本作ってみることが何より大切です。公開後は視聴継続率などのデータを確認し、次の企画や構成の改善に活かしていく振り返りもセットで行うと、内製の制作力が着実に高まっていきます。
まとめ
- 内製化にはコスト削減やスピード感といったメリットがある一方、専門知識の習得や属人化などの注意点もあります
- 始め方としては、5つの役割を意識したチーム体制と最低限の機材を整え、会社説明会の内容など網羅性の高いコンテンツから着手するのがおすすめです
- 完璧を目指さず、まず1本作って振り返りを重ねるPDCAの姿勢が、長期的な採用YouTube運用の成功につながります
採用YouTubeの始め方に悩んだら、内製・伴走・外注のどれが自社に合うかを一緒に整理するところから始めてみませんか。まずはお気軽に無料相談からご相談ください。
