採用担当者から「YouTubeで採用動画を出したいけれど、何を企画すればいいか分からない」という相談をよく耳にします。かっこいいブランディングムービーを作っても採用の数字が変わらなかったり、TikTokでバズる音源に乗って社員が踊ってみたものの、それが応募にどうつながっているか分からなかったり。今回は、そうした「なんとなく作った系」から抜け出すための採用YouTube企画の考え方と、実際にマネしやすい企画ネタを整理してご紹介します。
採用YouTubeの企画でよくある失敗
採用動画を作り始めるときに陥りやすい失敗には、いくつかの共通パターンがあります。
- 何千万円もかけて凝ったブランディングムービーを作ったが、採用の数字が特に変わらなかった
- バズっている動画やダンス動画の真似だけをしてしまい、内容と採用の接点が見えない
- 創業者の思いを長く語るだけで、見ている候補者に刺さりきらない
- おしゃれな映像は撮れたが、結局何を伝えたいのか分からない仕上がりになった
なぜこうした失敗が起きるのか
共通しているのは「目的があいまいなまま企画を決めてしまう」ことです。かっこいい映像を作ることや流行に乗ることは、ブランディングの観点では意味がある取り組みですが、それだけでは採用にはつながりにくいという点は押さえておく必要があります。企画を考える前に、「誰に」「何を感じてもらうため」の動画なのかを整理することが遠回りに見えて一番の近道です。
採用YouTube企画の軸になる考え方:3H
企画のジャンルを整理する際に役立つのが、Googleが提唱している「ヒーロー・ハブ・ヘルプ」という3つの分類(3H)です。これは動画を目的別に3つに分けて考える方法で、採用YouTubeの企画にもそのまま応用できます。
- ヒーロー:まだ自社を知らない人に興味を持ってもらうための企画
- ハブ:すでに自社を知っている人にファンになってもらうための企画
- ヘルプ:ファン化した人の応募や次のアクションを後押しする企画
ヒーロー企画:まだ知らない人に届ける
ヒーローは認知・拡散を目的とした企画です。代表的なのは、社員の1日に密着するコンテンツです。仕事で課題にぶつかる場面や頑張っている姿など、感情の動きが伝わりやすいため、多くの企業で採用されています。ほかにも、現場のルーティーンをそのまま見せる企画や、上司と部下が本音で相談している様子をあえて撮る企画も、普段は見られない場面として興味を引きやすい傾向があります。喜怒哀楽がはっきり出る場面や、専門知識をしっかり解説するコンテンツも、情報を手っ取り早く得たいというニーズに応えるヒーロー企画の一例です。
ハブ企画:ファンになってもらう
ハブは、すでに会社を認知している人にさらに好きになってもらうための企画です。オフィスツアーやスタッフへのインタビュー、対談形式のコンテンツが代表例です。社内研修の様子を切り取って見せるのも効果的で、どんなことを学べる会社なのかが伝わりやすくなります。動画の良いところは、メインの内容を撮っている合間の何気ないやり取りからも社員同士の関係性や雰囲気が伝わり、狙っていない部分でも好感度が上がりやすいことです。
ヘルプ企画:応募の後押しをする
ヘルプは、すでに好意的な印象を持ってくれている人に対して、応募という行動を後押しするための企画です。よくある質問にまとめて答えるQ&A形式の動画や、募集要項・職種内容を分かりやすく説明する動画が該当します。また、代表や社員が採用や事業にかける思いを語る動画も、共感を生んで応募の後押しになるヘルプ企画のひとつです。人は忙しい日々の中できっかけがないとなかなか動かないため、限定感やメリットを伝える一言を添えることも欠かせません。
まず何から作る?会社説明会動画から始める理由
これから採用YouTubeを始める場合、いきなり認知拡大を狙うヒーロー企画から着手するよりも、すでに接点のある候補者への後押しとなるコンテンツから始めるのがおすすめです。まだ自社を知らない人に動画を届けて選考参加までつなげるには、時間も設計の工数もかかります。それよりも、すでに選考に参加してくれている人が知りたい情報を補う動画のほうが、少ない工数で効果を実感しやすいためです。
その第一歩としておすすめなのが、会社説明会の動画です。候補者が気にするポイントは、事業内容の具体性、ミッションやビジョンへの共感、給与や福利厚生、成長環境など人によってさまざまです。それぞれを個別に作ると工数がかかりますが、会社説明会形式であれば一定の網羅性を持たせられるため、1本作れば多くの候補者の疑問をカバーできます。
企画を広げていく順番
会社説明会動画ができたら、次のステップとして次のような順番で企画を広げていくと、受け皿として厚みが出てきます。
- 会社説明会動画(全体を網羅する土台)
- 募集職種の1日密着(働き方や社風、入社理由が伝わる)
- 人間関係や社内の雰囲気(事業部・職種ごと)
- 待遇や福利厚生、研修内容など細分化したテーマ
この順番で受け皿を強くしてから認知拡大の企画に広げていくことで、せっかく興味を持ってもらっても情報不足で離脱してしまう、という事態を防ぎやすくなります。
撮影のハードルを下げたい場合は、スマホ1台での撮影から始めても十分です。テロップやBGMを凝らなくても、短い尺でアジェンダごとに分けて伝えるだけで、候補者にとっては面接で聞ききれなかった情報を補う材料になります。
内製・プロ伴走・フル代行、どの進め方が合うか
採用YouTubeの企画・撮影・編集を誰が担うかは、会社の体制によって選択肢が分かれます。
- 社内担当者がスマホで撮影から編集まで内製する
- 撮影は社内で行い、企画や編集はプロと二人三脚で進める
- 企画・撮影・編集をまとめて外部に任せるフル代行
どれが唯一の正解というわけではありません。まずは内製で1〜2本作ってみて、どのくらいのクオリティやリソースが必要かを体感してから、外部の力を借りる範囲を決めていくのも現実的な進め方です。日程調整やアサイン、撮影、編集、数値の振り返りまでを継続的に回すのは、採用業務と兼務する担当者にとって大きな負担になりやすいため、無理のない範囲で体制を選ぶことが長く続けるコツです。
まとめ
最後に、今回のポイントを3つに整理します。
- 採用YouTubeの企画は「かっこいい映像」や「バズ狙い」だけでは採用につながりにくく、目的別の設計が欠かせません。
- ヒーロー・ハブ・ヘルプという3つの目的で企画を分類し、認知から応募までの流れに沿ってコンテンツを配置することが大切です。
- 初めて着手するなら、網羅性の高い会社説明会動画から始め、1日密着、社内の雰囲気、待遇や研修へと徐々に企画を広げていくのが無理のない進め方です。
自社に合った企画の型を作りたい方、内製・プロ伴走・フル代行のどれが合うか相談したい方は、まずはお気軽に無料相談からご相談ください。
