「人が採れない」「応募が来ない」——製造業の採用現場では、こうした声を耳にする機会が増えています。実は、ものづくり企業そのものは学生の就職人気ランキングで上位に入りやすい傾向があります。それにもかかわらず「製造業」という言葉で括られた瞬間に、ネガティブなイメージを持たれてしまうケースが少なくありません。今回は、製造業の新卒採用で学生に選ばれるために押さえておきたいポイントを整理します。
製造業は本当に学生に人気がないのか
まず前提として知っておきたいのは、「ものづくり」という切り口では学生からの評価が低いわけではないという点です。メーカーという括りで見ると、就職先として関心を持つ学生は一定数存在します。一方で「製造業」という言葉を単体で聞いたときには、工場労働やきつい仕事といったイメージが先行し、実態以上にマイナスなイメージを持たれてしまう傾向があります。つまり課題は「人気がないこと」そのものではなく、「実態が正しく伝わっていないこと」にあると考えられます。
学生が製造業にネガティブなイメージを持ちやすい理由
学生が製造業に対して距離を感じてしまう背景には、いくつかの共通した要因があります。
- 工場や肉体労働をイメージしやすく、ブラックな環境ではないかと不安を持たれやすい
- 決められたものを作り上げる仕事という印象から、自分で何かを作り上げた実感を持ちにくいと感じられやすい
- 幼い頃からパソコンやスマートフォンが身近にあった世代にとって、想像する働き方とのギャップが大きい
- 特にB2Bの製造業は、そもそも就活生に会社名や事業内容が知られておらず、保護者にとっても馴染みが薄い
工場・肉体労働という先入観
製造業と聞いて真っ先に工場でのきつい作業を思い浮かべる学生は少なくありません。現場の働き方は年々変化していても、そのアップデートされた情報が学生側に届いていないというギャップが生じています。
「自分で作り上げた感」を持ちにくいという印象
決められた工程の中で仕事をするというイメージから、裁量を持って何かを生み出す実感が薄いのではないかと受け取られやすい点も、製造業を選択肢から外してしまう一因になっています。
デジタルネイティブ世代とのギャップ
日常的にデジタル環境に触れて育った世代にとって、製造業の仕事は自分の将来像から離れた存在に見えてしまうことがあります。
そもそも会社を知らない・親も知らない
とりわけ企業向けに製品やサービスを提供するB2B型の製造業は、消費者向けの知名度がある企業と比べて学生からの認知が低く、保護者世代にも馴染みがないところからスタートせざるを得ない構造があります。まずは会社の存在を知ってもらうこと自体が最初のハードルになっているのです。
学生はどこで会社の情報を集めているのか
イメージを払拭し、正しく会社を知ってもらうためには、学生がどこで情報を集めているかを理解しておく必要があります。
- SNSや動画、企業のホームページから自発的に情報を探しに行く
- 社員インタビューや密着系の動画コンテンツを見て、働く人や日々の業務の流れをイメージする
- そうした情報から「自分に合っていそうか」「ここなら頑張れそうか」を判断材料にする
テキストだけでは伝わりにくい
採用ページに文章で職種や制度を並べるだけでは、現場のリアルな空気感までは伝わりにくいものです。実際にどんな人が働いているのか、どんな1日を過ごしているのかを映像や写真で見せることで、初めて働くイメージが具体化されます。
内定承諾の決め手になっているもの
学生が最終的にどの企業に決めるかを考えるとき、給与や待遇はもちろん比較検討の対象になりますが、それに加えて重視されやすいのが次の点です。
- 仕事内容や事業内容そのものへの理解・共感
- 一緒に働く社員の人柄や雰囲気
誰とどんなキャリアを歩んでいけるのかは、新卒の学生ほど強く意識する傾向があります。配属先や周囲の環境によってモチベーションが大きく左右されやすいからこそ、事業内容と人柄の両方を、採用ページの文章だけでなく映像や写真も交えて具体的に伝えていくことが重要です。
まず「知ってもらう」ための入口も必要
イメージを払拭する発信を続けることは大切ですが、そもそも学生に会社の存在を知ってもらう入口がなければ、発信内容を見てもらう機会自体が生まれません。特にB2Bの製造業では、学生側から自社を見つけてもらうことが難しいため、企業側から学生にアプローチできる仕組みを組み合わせることが有効です。近年は、学生が自分の知らなかった企業と出会う手段として、こうした企業発信型のスカウトサービスを活用する動きが広がっています。認知を獲得する入口と、事業内容や社員の人柄を深く理解してもらう発信、この両方を組み合わせて設計することが、B2Bの製造業が新卒採用で選ばれるための鍵になります。
採用担当者だけでなく現場・事業側の発信も重要
新卒採用は人事部だけの仕事だと捉えられがちですが、事業内容や仕事の面白さを一番熱を持って語れるのは、現場や事業を担う社員自身です。学生に会社の存在を知ってもらい、興味を持ってもらう入口づくりは人事の役割として重要ですが、その先で事業の魅力や現場のリアルを伝えていく発信には、事業側の協力が欠かせません。採用を人事だけの取り組みにせず、会社全体のプロジェクトとして捉え直すことが、製造業の新卒採用を前進させる土台になります。
まとめ
- ものづくり企業自体は学生から一定の関心を集めやすい一方、「製造業」という言葉には工場労働などのネガティブなイメージが先行しやすく、実態とのギャップが採用の壁になっています
- 学生はSNSや動画から自発的に情報を集め、仕事内容・事業内容への理解と社員の人柄を重視して志望先を決める傾向があるため、テキストだけでなく映像や写真での発信が効果的です
- B2Bの製造業ほど「そもそも知られていない」課題が大きいため、認知を広げる入口づくりと、事業側も巻き込んだ発信の両輪で採用活動を設計することが重要です
自社の魅力を正しく伝える発信の設計から、どこから着手すべきかの整理まで、まずはお気軽に無料相談からご相談ください。
