選考を急ぐほど早期離職が増える|応募者を「見極める」前に起きていること

COLUMN 採用支援

中小企業で早期離職が続く背景には、採用担当が片手間になり選考を急ぐあまり応募者を十分に見極められていないという構造があります。選ぶ視点と選ばれる視点の両方を整えることが、選考の質と入社後の定着率を左右します。

選考を急ぐほど早期離職が増える|応募者を「見極める」前に起きていること

中小企業の採用担当者からよく聞かれるのが、「せっかく採用した人がすぐに辞めてしまう」という悩みです。特に社員数十名規模の会社で、時間とお金をかけて採用した社員が短期間で離職してしまうと、次の採用活動に踏み出す気力そのものが失われてしまいます。採用がうまくいかない理由を「教育の仕方が悪かったのか」「本人が合わなかったのか」と入社後の話に求めがちですが、実は早期離職の原因は、入社前の選考の進め方そのものにあるケースが少なくありません。今回は、なぜ選考を急ぐと早期離職が増えるのか、中小企業がどう選考に向き合うべきかを整理します。

早期離職の原因は「入社後」だけでなく選考にもある

中小企業では、採用担当を専任で置く余裕がなく、社長や経営幹部が本来の業務と兼任しながら採用活動を進めているケースが多く見られます。日程調整や書類作成、エージェントとのやり取り、求人広告のチェックなど、採用には細かい手間がかかりますが、それを片手間でこなそうとすると、どうしても一人ひとりの応募者と向き合う時間が削られてしまいます。

その結果起きやすいのが、「来てくれた人をとりあえず採用してしまう」という乱暴な選考です。採用を急いで進めている会社ほど、入社後の短期離職が早く起きる傾向があります。地方の中小企業では、複数名を採用してもその大半が数年以内に退職してしまう、というケースも珍しくありません。せっかく時間をかけて教育した社員に辞められてしまうと、採用コストと教育コストの両方が失われるだけでなく、次の採用に踏み出す気力そのものが削られてしまいます。選考を急ぐこと自体が、早期離職の芽を選考段階で見過ごしてしまう原因になりやすいのです

「選ぶ」視点と「選ばれる」視点、両方が欠けると採用は失敗する

採用活動を立て直すときに意識したいのが、次の2つの視点です。

採用がうまくいかない中小企業の多くは、このどちらか一方、あるいは両方が抜け落ちています。

選ぶ視点:応募者を絞り込む力

「選ぶ」視点で大切なのは、スキルよりも自社との相性を丁寧に見極めることです。応募者の数が少ない中で焦って選考を進めると、本来なら見送るべき人まで採用してしまいがちです。逆に、慎重に選考を重ねる会社ほど、社風に合った人材を採用できて定着率が上がりやすい傾向があります。面接では、経歴やスキルだけでなく、一緒に働くイメージが持てるか、社内の雰囲気に馴染めそうかといった観点で時間をかけて見極めていく姿勢が、結果的に定着につながります。

そのためには、そもそも比較検討できるだけの応募者数を確保しておく必要があります。応募が1人か2人しかない状態で選考をしていては、「合わないと分かっていても採らざるを得ない」という状況に陥ってしまうためです。

選ばれる視点:自社の魅力を客観視する力

もう一つ見落とされがちなのが、「選ばれる」視点です。求職者は、企業規模やブランド力、給与や福利厚生、働き方の自由度、理念への共感度合いといった複数の要素を比較しながら応募先を選んでいます。

中小企業の経営者の中には、自社への思い入れが強いあまり、「うちの会社を好きだと言うなら向いているはずだ」「自分ならこの人を変えられる」といった思い込みで採用を進めてしまう人もいます。しかし、求職者から見た自社の魅力を客観的に把握しないまま採用活動を続けても、応募の質は上がっていきません。

企業規模や知名度、給与水準で大手と張り合うのが難しいのであれば、働き方の柔軟さや理念への共感、面接時の対応の丁寧さなど、自社ならではの強みをどこに置くかを一度整理してみる価値があります。選考を急ぐ前に、自社が求職者からどう見えているかを一度冷静に棚卸ししておくことが、遠回りに見えて一番の近道です

中小企業が実践できる「弱者の採用戦略」

大手企業と条件面で正面から張り合うのは、多くの中小企業にとって現実的ではありません。だからこそ、中小企業には中小企業なりの選考戦略が必要です。

母数を増やしてから絞り込む

選考の質を上げるには、まず比較できるだけの応募者数を集めることが前提になります。応募数が少ないまま選考を進めると、本来であれば見送るべき人材まで採用せざるを得なくなります。無料・有料を問わず複数の採用チャネルを使い、母数を確保したうえで、そこから自社に合う人材を選び抜いていく発想が必要です。

条件でなく共感で選んでもらう

給与や待遇の条件面で大手企業と比較されると、中小企業はどうしても不利になります。だからこそ重視したいのが、条件採用ではなく共感採用という考え方です。面接時の対応や、理念・仕事のやりがいへの共感、社員を大切にする姿勢などを通じて、「この会社で働く自分」をイメージしてもらうことが、条件だけでは埋まらない差を生みます。

未経験者を育てられる体制をつくる

経験者採用にこだわると、応募できる母集団はどんどん狭くなっていきます。教育体制を整え、未経験者でも育てられる仕組みを作ることも、中小企業にとって重要な採用戦略の一つです。勤務地が限定される、転勤がないといった条件も、応募者によっては大きな魅力になり得ます。自社ならではの条件を強みとして打ち出せる部分がないか、採用チャネルや教育体制とあわせて見直してみる価値があります。

まとめ

選考のあり方を見直すことは、採用コストの削減だけでなく、入社後の定着率にも直結します。自社の選考プロセスに不安がある方は、まずはお気軽に無料相談からご相談ください。

FAQ

よくある質問

選考にかける期間や面接回数はどれくらいが目安ですか?

業種や職種によって適正な長さは異なるため、一律の日数を示すのは難しいというのが実情です。応募者を比較検討できる期間と、複数人でのすり合わせができる程度の余裕は必要ですが、長引かせすぎると他社への流出リスクも高まるため、自社の応募状況を見ながらバランスを取ることが求められます。

応募者の母数を増やすには、どの採用チャネルを使えばよいですか?

求人サイト、ハローワーク、SNS、社員紹介など、複数のチャネルを組み合わせて使うのが一般的です。有効なチャネルは業種・職種・地域によって差があるため、まずは低コストな手段から試し、応募状況を見ながら投資先を絞り込んでいく進め方が現実的です。

未経験者を採用する場合、教育体制はどこから整えればよいですか?

まずは入社後数週間〜数ヶ月でどこまでできるようになってほしいかを整理し、そこに至るまでの指導役やフォロー体制を明確にすることから始めるのが基本です。マニュアルや研修資料を一度に完璧にそろえる必要はなく、実際に受け入れながら改善していく形で問題ありません。

あなたの事業にも、
あたたかいコンバージョンを。

採用のこと、SNSのこと、まだ整理できていなくても大丈夫です。
お気軽にご相談ください。無理な営業はいたしません。

無料で相談する