「求人を出しても応募が来ない」「何年やっても反応が変わらない」——こうした悩みを抱える採用担当者や経営者は少なくありません。求人票や会社案内を整えても状況が変わらないとき、見落とされがちなのが「社員の声」という素材そのものです。ネット通販でよく見かける「お客様の声」と、採用活動における「社員の声」は、実は同じ仕組みで効いています。今回は、社員の声というコンテンツがなぜ採用に効果的なのか、そしてどう集め、どう出せばよいのかを整理します。
「お客様の声」と「社員の声」は同じ仕組みで効く
ネット通販のサイトには必ずといっていいほど「お客様の声」が載っています。これは、商品を買おうか迷っている人に、購入後の姿をイメージしてもらうための仕掛けです。実はこの構造は、採用活動でも全く同じように働きます。
採用における「お客様」は、会社で働いている社員です。社員が何を感じ、何を考えながら働いているのかを求職者に伝えることは、通販サイトの「お客様の声」と同じ役割を果たします。求職者は、社員の声を通じて入社後の自分の姿を疑似体験しています。
初めて行く美容室を選ぶときのことを考えてみてください。どんなスタイリストがいるのか、どんな雰囲気の店なのかが分かる店と、何も情報がない店とでは、前者の方が安心して選びやすいはずです。採用活動においても、これとまったく同じことが起きています。
社員の声が採用に効く理由
社員の声を採用コンテンツに使うべき理由は、大きく分けて次の3つです。
- 求職者が入社後の自分を疑似体験できる
- 入社後にどんな未来が待っているかが具体的に伝わる
- 社員の声そのものが「定着の成功事例」になる
求職者が入社後の自分を疑似体験できる
実際に働いている社員が画面に映り、自分の言葉で語っている様子を見ると、求職者は「こういう人が働いているのか」「こんな社長がいるのか」と具体的にイメージできます。もし自分が入社1年目だったら、動画に映る1年目の社員の姿に自分を重ねますし、10年目の社員が映っていれば、10年後の自分をそこに重ねます。これは、自分が入社した後にどうなっていくのかが見えない会社に対して抱く不安を、直接和らげる効果があります。
入社後にどんな未来が待っているかが具体的に伝わる
求職者が本当に知りたいのは、給与や福利厚生の条件だけではなく、「この会社に入ったら自分はどうなっていくのか」という未来のイメージです。社員の声は、その未来を具体的な形で見せる手段になります。何年目にどんな仕事を任され、どんな成長を遂げているのかが分かれば、求職者は自分の将来をその会社の中でリアルに描けるようになります。
社員の声そのものが「定着の成功事例」になる
実際に入社して3年、5年、10年と働き続けている社員がいるということは、その会社が定着という点で成功している証拠でもあります。社員の声を見せることは、単に人柄を紹介するだけでなく、「この会社で長く働き続けることができる」という信頼性そのものを伝えることにつながります。これがあるかないかで、求職者から見た会社の信頼感は大きく変わってきます。
入社後の未来を見せている会社はまだ多くありません
採用や求人の本質は、結局のところ「入社した後に自分がどうなるのか」を求職者にどれだけ分かりやすく伝えられるかにあります。ところが、この点を意識して発信できている会社は、現場で見ている限りまだ多くありません。入社後にどんな未来が手に入るのかを具体的に伝えることこそ、採用活動の本質的な部分です。
応募が来ない、募集しても反応がないという状態が続いているなら、まずは自社で働く社員の声を、ホームページや動画といった形で発信できているかを見直してみることをおすすめします。
社員の声を伝える方法
社員の声を伝える手段はいくつかありますが、中でも効果的なのが動画です。テキストの声だけでなく、表情や話し方も含めて伝わるため、求職者にとってより具体的なイメージを持ちやすくなります。もちろん、写真付きのインタビュー記事やSNS投稿など、他の手段を組み合わせることも有効です。自社で撮影・発信していく内製型と、プロの伴走を受けながら進める形、あるいは制作を任せる形など、進め方には選択肢があります。どの形を選ぶにしても、大切なのは「継続して発信できるかどうか」です。
出てもらう社員の選び方
動画やインタビューに誰を起用するかは、成果を左右する重要なポイントです。選ぶ際の観点は、次のようなものが挙げられます。
- 入社1〜3年目で生き生きと働いている社員
- 会社の理念や社風を理解し、積極的に体現している社員
- 「もう一人こういう人がいたらいいな」と思える社員
- 求職者が親近感を持てる社員
入社1〜3年目の社員が向いている理由
入社して間もない社員は、求職者にとって最も距離の近い存在です。自分が入社したらどうなるかを、時間的に近い未来としてイメージしやすくなります。理念や社風を理解した上で積極的に働いている社員であれば、求職者にとって「この会社で自分もこうなりたい」という具体的な目標にもなります。
会社が求める人物像を体現している社員を選ぶ
動画に起用する社員は、経営者が「もう一人この人のような社員がいたらいいな」と思う人物を選ぶのが基本です。会社が今後どんな人材に来てほしいかというメッセージが、起用する社員の人柄そのものに表れるためです。
親近感が採用のミスマッチを防ぐ
動画に映る社員の雰囲気は、そのまま応募してくる層の雰囲気に影響します。どんな人物を起用するかによって、そのコンテンツを見て集まってくる求職者の顔ぶれも変わってくる傾向があります。自社の理念や社風に合った人物を選ぶことは、応募者との入社後のミスマッチを防ぐことにもつながります。
まとめ
- 社員の声は、通販サイトの「お客様の声」と同じ仕組みで求職者の安心につながります
- 入社後の未来を疑似体験できることが、応募への後押しになります
- 動画を中心に、会社が求める人物像に近い社員の声を、継続して発信していくことが大切です
社員の声というコンテンツは、特別な予算や大掛かりな仕組みがなくても始められる採用施策です。まずは自社で「もう一人いたらいいな」と思う社員から、声を発信してみることをおすすめします。まずはお気軽に無料相談からご相談ください。
