従業員5名以下の会社が最初にやるべき採用戦略|小さな会社の勝ち筋

COLUMN 採用支援

従業員5名以下の小規模企業が採用で大手に勝つには、求人媒体に頼る戦い方ではなく、リファラル採用や代表の発信、業務委託の活用など、コストをかけずに実行できる採用戦略と、応募が伸びない時の見直し方を解説します。

従業員5名以下の会社が最初にやるべき採用戦略|小さな会社の勝ち筋

「応募が思うように集まらない」「求人媒体に出しても大手には勝てない」——従業員5名以下の会社の採用担当者や経営者からは、こうした声をよく耳にします。実は、この規模の会社に必要なのは、大手と同じ土俵で戦う採用戦略ではなく、リソースが限られていることを前提にした、小規模企業ならではの採用戦略です。今回は、5名以下の会社がまず取り組むべき採用戦略について整理します。

大手と同じ土俵で戦わない — 小規模企業の採用戦略の基本発想

求人媒体への出稿や求人票の書き方など、世の中で語られる採用ノウハウの多くは、採用人数が多く予算規模も大きい企業を前提にしています。同じ媒体に同じタイミングで出稿し、同じように予算をかけるという戦い方は、体力で劣る小規模企業にとっては最初から不利な戦いになりやすいものです。

小規模企業の採用戦略で最初に必要なのは、媒体選定や求人票のブラッシュアップではなく、「お金をかけずにどう人を採用するか」という発想への転換です。予算をかける前提で大手と条件を比べてしまうと、その時点で勝ち目は薄くなります。まずは自社が無理なく取れる手段から採用活動を組み立てることが、小規模企業の採用戦略の出発点になります。

小規模企業がまず取り組むべき採用戦略は3つ

小規模企業が現実的に取り組みやすい採用戦略は、大きく分けて次の3つです。

それぞれ詳しく見ていきます。

① 身近な人への声かけから始める「リファラル採用」

採用人数が5名以下の会社であれば、まず取り組みたいのがリファラル採用です。求人媒体に費用を払うより、SNSで発信を積み重ねるより、身近な人への声かけの方がコストをかけずに始められます。経営者自身の知人や取引先、顧客など、すでにつながりのある人にすら声をかけていない会社は少なくありません。採用のアンテナを日常的に立てておくこと自体が、小規模企業の採用戦略として大きな意味を持ちます。

ただし、リファラル採用を経営者一人の声かけだけに頼るのには限界があります。会社の規模が大きくなるほど、従業員自身が知人や前職の同僚を紹介してくれる仕組みと文化が必要になってきます。ここで壁になりやすいのが、従業員側のモチベーションです。「仕事を頑張ろう」という言葉はあっても、「採用を頑張ろう」という言葉は現場からはなかなか出てきません。採用活動は自分の評価や働きやすさに直結しにくいため、放っておくと従業員には広がらない傾向があります。

このモチベーションの壁を越えるには、金銭的なインセンティブの設計に加えて、会社として採用に対する熱量を作り、従業員を巻き込んでいくことが欠かせません。紹介が成立した段階と、実際に入社が決まった段階とで段階的に謝礼を用意するなど、動きやすい仕組みを整えることも一つの工夫です。また、リファラルをしてもらう前提として、自社のホームページや採用ページ、SNSなど会社の情報を紹介しやすい状態にしておくことも重要です。情報がまったくない状態では、従業員も知人を誘いづらくなります。

② 代表・社長の発信による会社の顔づくり

中小・ベンチャー規模の会社では、代表者自身が会社の顔になりやすいという特徴があります。事業の実態そのものよりも先に、「この人と働きたい」「この理念に共感した」という理由で興味を持ってもらえるケースは珍しくありません。代表が積極的に情報発信をし、社外のメディアや番組などに露出する機会を増やしていくことは、小規模企業の採用戦略として十分に検討する価値があります。

一方で、SNSでの発信は始めればすぐに成果が出るというものではない点には注意が必要です。労力や時間をかけても、まったく反応がないまま終わる可能性もあります。年間で数名程度の採用を目標にしている会社の場合、その投資が短期的に回収できるとは限りません。今後、採用人数を大きく増やしていく見込みがあるか、発信を長期的な資産として積み上げていく意思があるかによって、どこまで力を入れるべきかの判断は変わってきます。短期の採用数だけを見て判断するのではなく、中長期の採用計画とセットで投資判断をすることが重要です。

③ 業務委託・副業から始める人材との接点づくり

正社員採用だけを前提にせず、まず業務委託や副業という形で関わってもらい、実際の仕事ぶりやカルチャーとの相性を見ながら、タイミングを見て正社員化を打診していく採用の流れも広がっています。長期インターンのような形で現場のやり取りを重ねながら採用を進められるため、双方にとってミスマッチの少ない選択と言えます。

この進め方で意識しておきたいのが、報酬面のギャップです。業務委託の報酬は他の仕事と掛け持ちすることを前提に成り立っていることが多く、正社員化すると社会保険料などの負担も加わるため、単純に同じ金額のままスライドできるとは限りません。給与面でどこまで歩み寄れるかのすり合わせが必要になります。

金銭面以外の魅力を用意しておくことも有効です。フリーランスや業務委託で働く人は、所属先がないことによる不安や孤独を感じやすい傾向があります。社内の集まりに気軽に呼ぶなど、緩やかにでも関わりを持ち続けられる場を用意しておくと、正社員化を検討してもらうきっかけになりやすくなります。

採用がうまくいかないときに見直したい「採用ブランディング」

リファラルや発信を続けても応募が集まらない場合は、自社の見え方そのものを見直す採用ブランディングが必要になっている可能性があります。見直すポイントは大きく3つです。

強みは一点にしぼる

給与も休みも福利厚生も充実していると、良い点をすべて並べて訴求したくなりますが、それでは他社と横並びになり、差別化ができなくなってしまいます。基本的な条件を整えることは前提としつつ、「うちの会社と言えばこれ」と言い切れる強みを一点に絞り込むことが、差別化につながります。

自社の見え方を客観的に把握する

業績が安定していて、事業の強みや理念、組織風土もしっかりしているにもかかわらず、社歴が長いことで「昔ながらの会社」「大手ほど進んでいない」という印象を持たれてしまう会社は少なくありません。実際の強みと、外から見られているイメージにズレがないかを一度洗い出すことが、採用ブランディングの出発点になります。

採用したい人材に合わせて媒体を選ぶ

会社の見せ方を整えても、届ける手段が合っていなければ結果にはつながりません。求人媒体にはそれぞれ強みとする年代や職種の傾向があり、この特性を踏まえずになんとなく契約してしまうと、狙った層に届かないまま費用だけがかかってしまいます。採りたい職種・年代・性別に合わせて、届けたい層に強い媒体を選ぶことが欠かせません。

どこまでの規模でこの戦略が通用するか

リファラル、代表の発信、業務委託からの採用という組み合わせは、経営陣が採用に対する熱量を持ち続け、従業員を巻き込めている組織であれば、社員数がある程度増えても機能し続けると考えられます。逆に言えば、仕組みだけを整えても、経営者や現場がやりきらなければ効果は限定的です。外部のパートナーに運用の一部を任せる場合も、丸投げすれば成果が出るというものではなく、社内の実行力を後押しする伴走役として活用するという位置づけが現実的です。

まとめ

自社の採用戦略に悩んだら、まずは自社の強みと課題を整理するところから始めてみませんか。まずはお気軽に無料相談からご相談ください。

FAQ

よくある質問

リファラル採用や代表の発信は、効果が出るまでどれくらいの期間を見ておくべきですか?

即効性のある施策ではなく、関係性や認知が積み上がって初めて成果につながる中長期の取り組みと捉えておくのが現実的です。業務委託からの正社員化も、双方の相性を見極める期間を経てから判断するケースが一般的で、短期の応募数だけで効果を判断しないことが重要です。

求人媒体への出稿は完全にやめて、この3つの施策だけに切り替えるべきですか?

記事で紹介した施策は媒体出稿の全面停止を前提にしたものではなく、媒体だけに頼らない採用の窓口を増やすための選択肢です。自社の予算や採用人数に応じて、媒体と併用しながらリファラルや発信を育てていく進め方が現実的です。

声をかけられる知人がいない場合、リファラル採用はどう始めればいいですか?

経営者や従業員の知人に限らず、取引先や顧客など普段から接点のある相手も対象に含めて考えると、声をかけられる範囲は広がります。すぐに紹介につながらなくても、自社の情報を発信し続けて周囲が思い出しやすい状態を作っておくことが土台になります。

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