採用担当者であれば、「面接の手応えは良かったのに、最終的に辞退されてしまった」という経験を一度はお持ちではないでしょうか。志望度も高そうに見えたし、この人なら活躍できると感じて合格を出したのに、後日辞退の連絡が来る。これは、選考を面接の1時間だけで完結させようとしていることが原因になっているケースがあります。
採用SNSというと、応募を集めるための母集団形成の施策だと思われがちです。しかし実は、面接前後の候補者とのやり取りにこそ、SNSで発信してきたコンテンツを活かせる場面が多くあります。この記事では、採用SNSを面接という選考プロセスの中でどう活用し、入社率を高めていくかを整理します。
面接の1時間だけで採用は決まらない
面接そのものは1時間程度で終わります。しかし、候補者がその会社に入社するかどうかを検討する時間は、面接の1時間よりもはるかに長く続きます。面接が終わったあと、候補者は他社の選考状況や求人情報、会社のホームページなど、さまざまな情報に触れながら意思決定をしていきます。
つまり、面接という「点」の勝負だけに全力を注ぐのではなく、候補者が検討している期間全体を「線」として捉え、どう情報を届けるかを設計する視点が欠かせません。面接の中だけで魅力づけを完結させようとすると、時間が足りずに伝えきれないまま終わってしまうこともあります。
面接に求められる二つの役割
面接には、大きく分けて二つの役割があります。
- 見極め:候補者が自社で活躍できる人材か、募集しているポジションに合っているかを判断すること
- 魅力づけ:候補者の入社意欲を高め、志望度を上げること
売り手市場と言われる採用環境では、この二つを両方とも面接の中でこなす必要があります。理想としては、面接の前半で見極めを行い、フィットすると判断できた候補者には、後半で自社の魅力や入社後に得られる経験を伝えて意欲を高めていく、という流れが望ましい形です。
見極めに時間を使いすぎてしまう現実
しかし現実には、見極めのための質問や逆質問の時間で面接のほとんどが終わってしまい、自社の魅力を候補者に伝えきれないまま「合格です、次の選考にお進みください」というメールでの結果報告だけで終わってしまうケースも少なくありません。これでは、複数の企業を比較検討している候補者の記憶に、自社の情報を残すことが難しくなります。
一方で、魅力づけばかりに時間を割いて見極めの時間を削ってしまうと、今度は活躍できない人材に内定を出してしまうという本末転倒な結果にもなりかねません。時間が限られている中でも、候補者がどこで意思決定をするのか、何を気にして自社を志望しているのかを見抜くところまでは、最低限行っておく必要があります。
面接前後の時間を採用SNSでつなぐ
候補者の記憶が新しいうちに、自社の情報をもう一度届けられるかどうかは、魅力づけにおいて重要なポイントです。面接の中で「もっと詳しく伝えたかったけれど時間が足りなかった」と感じた内容があれば、面接後に関連する動画や記事を送るという方法があります。
例えば、面接で成長スピードやキャリアパスを気にしている様子が見られた候補者には、社員インタビューの記事や動画を送ることで、実際にどのように成長できる環境なのかをイメージしてもらいやすくなります。面接というひとつの接点にプラスアルファの情報を重ねることで、候補者に思い出してもらう機会が増え、魅力づけの時間そのものを広げることができます。
さらに、複数回の選考がある場合は、前回の面接で候補者が何を気にしていたかという情報を選考担当者間で連携しておくことも有効です。次の面接前に、その関心に合った動画や記事を送っておけば、候補者は「そうか、こういう会社だった」と思い出した状態で面接に臨めるため、面接そのものもスムーズに進みやすくなります。
面接の中でやるべきことは、見極めに加えて、候補者が何を気にして自社を志望しているのか、何を伝えれば入社意欲が上がるのかを特定するところまでです。時間に余裕があれば、その場で魅力づけの会話を広げてもよいですが、時間が足りない場合は、面接後に届けるコンテンツで補うという発想を持つとよいでしょう。
選考フローで準備しておきたいコンテンツ
何を魅力に感じてもらえるかを見極めたとしても、それを伝えるためのコンテンツがなければ、面接の1時間から先に情報を広げることはできません。あらかじめ用意しておきたいコンテンツは、次の通りです。
- 会社の説明
- 仕事の内容
- その職種で働く社員のインタビュー
- 制度・福利厚生などの待遇
- (あれば)1日密着のコンテンツ
既にある情報を棚卸しする
これらは新しく作らなければならないものばかりではありません。会社のホームページに掲載されている内容で足りる場合もあります。まずは、どの角度からでも自社の魅力を伝えられる状態になっているかをチェックし、足りない部分があれば動画を1本撮ってみるところから始めるとよいでしょう。
こうした情報がさまざまな角度でストックされていることは、採用力そのものに直結します。SNSでの発信を、単に応募を集めるための入口としてだけでなく、選考の中で候補者に届ける材料として棚卸ししておくことが、これからの採用活動では重要になってきます。
まとめ
- 候補者が入社を決める検討時間は、面接の1時間よりもずっと長く続く
- 面接には見極めと魅力づけの二つの役割があり、どちらかに偏りすぎないバランスが必要
- 面接前後に社員インタビューなどのコンテンツを届けることで、選考フロー全体を通じた魅力づけができる
採用SNSでの発信は、応募を集めるだけでなく、選考プロセスの中で候補者の入社意欲を支える材料としても活用できます。まずはお気軽に無料相談からご相談ください。
