Indeedで求人を出しているのに応募が来ない。予算を増やしても状況が変わらない——採用担当者からよく聞く悩みです。ただ、犯人は予算の金額ではなく、求人の出し方かもしれません。Indeedはクリック課金で動いているため、その構造を知らないまま「とりあえず予算を入れて出しておく」状態が続くと、毎月お金だけが出ていきます。本記事では、クリック単価と応募単価の違いから、応募単価を下げる運用設計を整理します。
まず押さえたいIndeedの費用構造
Indeedはクリック課金型で、求職者が求人をクリックするたびに費用が発生します。平均クリック単価はおよそ100円から300円。ただし業界や職種によって、この幅は大きく動きます。
- 業界別|建築・建設:200円〜650円と高め
- 業界別|IT系:250円〜500円で競争が激しい傾向
- 職種別|営業、配送ドライバー:200円〜400円
- 職種別|一般事務、介護職:50円〜200円程度
いずれも大体の目安で、実際の数値とは誤差が出ます。自社の管理画面を見る前に、当たりをつけるための材料と考えてください。
見るべきはクリック単価ではなく応募単価
ここからが本題です。Indeedで成果を出すうえで重要なのは、クリック単価ではなく応募単価です。クリック単価が安くても、応募につながらなければ意味がありません。
たとえば、こんな比較になります。
- クリック単価100円でも、100人がクリックして1人しか応募しなければ、応募単価は1万円
- クリック単価300円でも、10人に1人が応募すれば、応募単価は3000円ほど
クリック単価だけを見れば前者のほうが安いのに、応募単価では逆転しています。いくらクリックを集めても、応募フォームを開いてもらえなければそのコストはまるまる無駄になる、というわけです。
だからこそ、安くクリックを集めることよりも、応募につながる設計のほうが重要になります。見るべき指標は、応募開始率と応募完了率の2つです。
求人を分けると競争が分散し、単価が下がりやすい
では応募単価をどう下げるか。有効なのは、1つの求人に予算を集中させず、訴求を分けて複数の求人に分散させることです。
Indeedはオークション形式で広告が表示される仕組みで、クリックされたときにいくら払うかを各社が設定でき、その許容金額が高い求人ほど上位に表示されやすくなっています。したがって、1つの求人に多くの競合が入札していると、自然とクリック単価が上がっていきます。
「営業職 東京」は転職意思が高そうなキーワードのため、多くの企業が上位表示を狙います。仮に100社が掲載していれば、各社が「1クリック500円でもいいから上に出したい」と競い合う状態になり、クリック単価も高くなりやすくなります。一方で「法人営業 リモート可」なら競合20社、「新規営業 未経験歓迎」なら競合15社というように、より具体的な条件で出せば競合する企業の数が一気に減ります(社数はいずれも説明のための例示です)。
つまり、大きくて人気のあるキーワードは競合が激しく単価が上がり、具体的でニッチな条件なら競合が緩やかで単価が下がります。求人を細かく分けることは、枠の取り合いを避けるというより、競争の激しい場所から少し外れて、低いコストで上位表示を狙う戦略です。
キーワードを選ぶときに最も大切なのは、「このキーワードで検索されたら自社が必ず勝つ」と思えるものを選べるかどうかです。どんなキーワードで調べてきた候補者なら、自社の求人を魅力的だと感じてくれるか。そこから逆算する発想です。
求人の分け方は「ターゲット層の違い」で決める
ただし、やみくもにバラバラにすればよいわけではありません。訴求の軸を変えて分けることが前提です。基本は、ターゲット層の違いで区切ること。求職者が「これは自分のための求人だ」と感じやすくなると、クリック率と応募率が同時に上がるという二重の効果が生まれます。軸は次の2つです。
- 経験年数で分ける
- 働き方の希望で分ける
経験年数で分ける
「営業職募集」とだけ書くと大きなキーワードで競合するうえ、未経験者も経験者も同じ原稿を見ることになり、誰にも刺さらない内容になります。「営業職・未経験歓迎」と「営業職・経験者優遇」に分ければ、前者には研修やサポート体制の安心感を、後者にはマネジメントポジションへのキャリアパスを、といった訴求ができます。
働き方の希望で分ける
リモート可能な職種と出社ベースの職種を別求人にするだけで、それぞれの層に効率的に届きます。リモートワークはIndeedでもよく検索されるキーワードなので、訴求を分けると検索マッチの精度も上がります。
なお、どの打ち出し方が当たるかは出してみないと分かりません。Indeedは求人の書き換え回数に制限がないため、複数の求人を並行して試しやすいのは利点です。求人票そのものの書き方や表示順位の改善については、Indeedで応募が来ない原因と改善チェックリストで整理しています。
予算配分でつまずきやすい3つのパターン
大前提として、クリック単価を下げることは目的ではなく手段です。本来のゴールは応募単価を下げることであり、施策を打つときは常に応募開始率と応募完了率を一緒に見ながら判断する必要があります。そのうえで、やりがちな失敗が3つあります。
- 求人を分けすぎて、1求人あたりの予算が薄くなる
- 中身がほぼ同じで、職種名だけ変えた求人を量産する
- 職種ごとのクリック単価の違いを無視して、同じ予算枠で運用する
分けすぎて1求人あたりの予算が薄くなる
たとえば月5万円の予算で10個の求人を出すと、1求人あたり5000円しか回りません。Indeedのオークションでは予算が少なすぎると検索結果に表示される回数自体が減ってしまうため、結果として誰にも見てもらえない状態になります。求人を分けるなら、1つあたりに十分な予算が回る範囲で設計することが大切で、目安は1求人あたり月1万円以上です。
中身が同じ求人を量産する
職種名だけ変えて内容がほぼ同じ求人を並べると、訴求内容の違いが明確でないため、Indeedのシステムから低品質な求人と判定されて表示順位が下がる恐れがあります。分ける以上は、それぞれに明確な違いを持たせることが前提になります。
クリック単価の違う職種を同じ予算枠に入れる
Indeedでは、複数の求人を「キャンペーン」という単位でまとめ、1つの予算枠で運用します。この仕組みが、3つのなかでいちばん気づきにくい落とし穴になります。クリック単価の相場が大きく違う職種を、同じキャンペーンに放り込んでしまうケースです。
例として、事務職とITエンジニアを同じキャンペーンに入れ、予算10万円で運用した場合を考えます。クリック単価の安い事務職のほうが同じ予算で多くのクリックを獲得できるため、予算がそちらに流れていきます。結果として事務職に9万円が使われて900クリックを獲得する一方、ITエンジニアには1万円しか使われず20クリック程度にとどまり、ほとんど表示されないまま終わります。
対処はシンプルで、キャンペーンを分けることです。事務職専用に3万円、ITエンジニア専用に7万円というように、職種ごとのクリック単価の違いを踏まえて予算を別々に管理します。これだけで、単価の高い職種にも予算が行き渡るようになります。
まとめ
Indeedの予算と運用設計について整理しました。
- 見るべきはクリック単価ではなく応募単価。クリックが安くても応募につながらなければコストは無駄になる
- 大きなキーワードは競合が激しく単価が上がる。ターゲット層の違いで求人を分けると、競争が分散して単価が下がりやすく、求職者にも刺さりやすくなる
- 分けすぎ・中身の重複・クリック単価が違う職種の同居は、いずれも予算が届かない状態を生む。キャンペーン単位で予算を分けて管理する
自社のIndeed運用が応募単価まで見た設計になっているか、現状の数字の棚卸しから整理することもできます。まずはお気軽に無料相談からご相談ください。
